社会問題となったキャッシング
キャッシングを規制しているのは貸金業法や出資法といった法律ですが、過去に何度も改正されています。
改正の原因となったのは消費者金融のローンやクレジットカードのキャッシングが原因で、多重債務者が増加するという社会問題となったからです。
改正後は上限金利も引き下げられ、年収の1/3までの貸付制限も設けられたので、キャッシングが原因で多重債務になるといったリスクは減少しました。
しかしクレジットカード会社としてはキャッシング事業が以前ほど利益を生まないばかりか、むしろ貸倒れ率が高いことで減益の原因ともなりかねません。
そのため、キャッシングよりも健全なショッピング事業に力を入れるようになったことが、ショッピング専用カードの発行やキャッシング枠ゼロでの発行が一般的になった背景にあります。
金利負担を軽くしたいなら、銀行系カードローンがベスト
クレジットカード会社にとっては、クレジットカードの機能としてキャッシングを提供するよりも、キャッシング専用のカードローンできちんと審査をすることで、リスクを減らすことができます。
そのためキャッシング枠に関して積極的ではなくなっているので、むしろキャッシング枠をゼロにしてクレジットカードを申込むと審査を通過しやすくなります。
特に年収が低く不安定なほど、キャッシング枠をゼロにすることで審査を通過する効果は高くなります。
キャッシングもカードローンもそれほど金利差はありませんが、銀行カードローンは比較的低金利なので、キャッシングを利用するよりはカードローンを利用したほうが金利負担を軽くできます。
消費者金融系カードローンやキャッシングは最高金利が年18%ですが、銀行カードローンは最高でも年13%~14%が相場です。
これを考えるとクレジットカードのキャッシングにはメリットがないと言えるでしょう。
クレジットカードのキャッシングの活用方法
高金利のキャッシングを使うときは、短期で少額の利用を心がける必要があります。
年18%でも50,000円を1ヶ月で返済すると、利息の総額や740円程度です。
給料日前に少額を1週間程度借りるといった使い方をしていれば、キャッシングはすぐにATMで借りられるメリットもあるので、金利負担も少なく活用することができます。
しかしそうした使い方はカードローンでも代用できる上に、年利が低い分金利負担をさらに軽くできることになります。
キャッシングのメリットはすべてカードローンにも含まれているので、クレジットカードのキャッシングを利用する意味はもうないと言っても言い過ぎではありません。
さらにキャッシングにはデメリットもあります。
キャッシングのデメリット
キャッシングのデメリットは高金利というだけではありません。
使っていなくてもデメリットがあるのというのがキャッシングです。
貸金業法が改正されて年収の1/3以上の貸付はできなくなっていますが、その計算には使っていないキャッシング枠も含まれます。
キャッシング機能付きのクレジットカードを何枚か持っているだけで、借入可能額が少なくなってしまいます。
使っていないキャッシング枠はゼロにするだけでなく、使っている場合でも低金利のカードローンに切り替えするとメリットが大きくなります。
消費者金融会社などのノンバンクの融資は利用しないという人は別ですが、少しでも利用する可能性があれば、キャッシング枠で少ない借入限度枠を狭くするよりも、低金利のカードローンを1枚作るほうが賢い使い方です。
クレジットカード会社もキャッシングに消極的な時代になっているので、利用する側もクレジットカードはショッピング専用、カードローンはキャッシング専用という使い分けを徹底しましょう。
まとめ
キャッシングの現状については理解いただけたでしょうか?
キャッシングやカードローンはフリーローンと呼ばれている融資商品のひとつです。
融資の目的がはっきりしている場合は低金利の目的ローンを利用するというのが常識です。
そのためフリーローンを高額な利用に使うのは金利負担を大きくするだけなのでやめましょう。
キャッシングやカードローンは、あくまでも臨時の出費や緊急に必要な場合に備えるという目的に利用しましょう。
法律の改正で多重債務者は減少したと言っても、まったくゼロになったわけではありません
。金銭トラブルを防ぐためにもキャッシングやカードローンの使い方を正しく理解しましょう。